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​台風が来ると沖縄のスーパーからパンが消える?ウチナーンチュの台風対策と離島の過酷な現実

沖縄ライフ・コラム
沖縄のお天気

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​沖縄の夏、それは美しい海と空、そして台風の季節でもある。

​本州の人々にとって、台風は「大雨が降る」「電車が止まるかもしれない」といった警戒の対象だが、沖縄の人々(ウチナーンチュ)にとっては、それは生活そのものを脅かす、より切実で、ある種日常化された「戦い」なのだ。

​台風が接近すると、沖縄のスーパーやコンビニでは、ある不思議な現象が起きる。それは、特定の食料品が店頭から完全に姿を消すということだ。

​今回は、沖縄の台風対策の最前線であるスーパーの状況や、離島が抱える切実な問題、そして過去の巨大台風がもたらした教訓について、少しのユーモアを交えながら紹介したい。

​台風接近の合図は「パン売り場の完売」

​沖縄で台風予報が出され、暴風域に入る確率が高まると、人々は一斉にスーパーへと向かう。目的は、言うまでもなく「台風籠城」のための買い出しだ。

​そして、台風接近のニュースが流れた数時間後、スーパーのパン売り場へ行くと、そこには驚くべき光景が広がっている。

パンが、文字通り「一つ残らず」消えているのだ。

​食パン、菓子パン、惣菜パン。普段は山のように積まれているパンが、棚から完全に姿を消し、そこには虚しい空間だけが残されている。初めてこの光景を見た人は、何事かと目を疑うだろう。

​なぜ、これほどまでにパンが人気なのか?

​理由は単純だ。台風による停電を想定しているからである。

​沖縄の台風は勢力が強く、一度暴風域に入ると、停電が長時間続くことも珍しくない。停電すれば、冷蔵庫は止まり、電子レンジや炊飯器も使えなくなる。

​そんな状況下で、調理不要でそのまま食べられ、常温である程度保存が利くパンは、まさに最強の「台風食」なのだ。ウチナーンチュにとって、台風前のパン確保は、生き残りをかけた重要なミッションなのである。

カップ麺を台風対策で準備して、停電でオール電化のコンロが使えず、お湯を沸かせないという移住組が多くいる。ガスコンロも必須!

台風接近でパン売り場が完全に売り切れた沖縄のスーパーの様子の写真

​パンの次はカップ麺と乳製品、そして…

​パン売り場の完売は、買い出し狂想曲の序章に過ぎない。

​続いて狙われるのは、カップラーメン乳製品だ。

​カップラーメンは、お湯さえあれば(カセットコンロが活躍する)、温かい食事がとれるため、台風時の定番だ。乳製品(特に牛乳やヨーグルト)は、子供のいる家庭や、栄養補給のために購入されるが、これも停電すれば冷蔵保存ができなくなるため、台風直前に駆け込みで買われていく。

​さらに、今回の台風が「非常に強い」「大型」と報道されると、買い物リストはさらに過激になる。

ミネラルウォーターレトルト食品乾電池、そして養生テープ(窓ガラス補強用)。これらも、あっという間に店頭から消える。

​ウチナーンチュの台風対策は、まさに「経験則」に基づいている。

​「前回の台風は停電が3日続いたから、今回は水を多めに買おう」

「あの時はパンが真っ先になくなったから、今回はニュースが出たらすぐに買いに行こう」

​こうした過去の経験が、台風前の驚異的な購買行動へとつながっているのだ。

台風が近づくと、海上輸送や空輸がストップするため、ネット上の買い物は早めが鉄則。

​【くすっとエピソード】台風がもたらす「予期せぬ宴会」

​台風前のスーパーは戦場だが、ウチナーンチュには、そんな状況でもどこか「なんとかなるさ(ナンクルナイサー)」という楽観的な気質がある。

​ある台風の夜、激しい風雨が家を打ち付ける中、案の定、停電してしまった。暗闇の中、懐中電灯の明かりを頼りに、買い込んだパンを食べようとしたその時、

「あ、冷蔵庫のアイスクリーム、溶けちゃうね」

​誰かがそうつぶやいた。

​停電した冷蔵庫のアイスクリームは、時間が経てば確実に溶ける。捨てるのはもったいない。

「よし、今のうちに全部食べよう!」

​家族全員で、暗闇の中で溶けかけたアイスクリームを一気に食べる。それは、台風の恐怖を紛らわせるための、小さな「予期せぬ宴会」となった。

子どもたちは大喜びである。

​また、ある家では、停電で炊飯器が使えなくなったため、カセットコンロで鍋を出し、買い込んだカップ麺を家族全員で突つく。

「台風の日のカップ麺は、なぜか普段より美味しく感じるね」

​不便な状況だからこそ、家族の絆が深まる。そんな逞しさも、沖縄の人々にはある。

​「船が来ない」離島の過酷な現実

​沖縄本島での台風対策は、スーパーでの「争奪戦」に象徴されるが、離島となると、事情はさらに切実になる。

​沖縄には、石垣島や宮古島、そしてさらに小さな周辺離島が多く存在する。これらの島々への物資輸送のほとんどは、に依存している。

​台風が近づくと、海は荒れ、波が高くなる。当然、船は欠航となる。

​サイズの大きな台風となると、欠航は数日、時には1週間以上に及ぶこともある。

​離島のスーパーや商店にとって、船の欠航は、「商品が入ってこない」ことを意味する。

​台風が近づく数日前から、離島の人々は「最後の船」で運ばれてきた物資を買い占める。パンや生鮮食品はもちろん、日用品や燃料まで。

​そして、台風が去った後も、海が落ち着いて船が再開するまでは、物資は届かない。

​ある離島の住民は語る。

「台風が過ぎても、3日間はスーパーの棚は空っぽさ。パンどころか、野菜も肉も何もない。残っているのは、人気のない缶詰だけ」

​離島にとって、台風による船の欠航は、単なる不便ではなく、「食料危機」に直結しかねない、まさに死活問題なのである。

​過去の教訓:2003年台風14号(マエミー)の衝撃

​沖縄の台風対策がこれほどまでに徹底しているのは、過去に何度も、想像を絶する巨大台風による被害を経験してきたからだ。

​その中でも、特に多くのウチナーンチュの記憶に刻まれているのが、2003年の台風14号(マエミー)である。

​9月10日から11日にかけて宮古島を直撃したこの台風は、中心気圧910hPaという驚異的な勢力で、宮古島で最大瞬間風速74.1m/sを記録した。

​この風は、まさに「暴力」だった。

コンクリート造りの家屋の屋根が吹き飛び、電柱はバタバタと倒れ、車はオモチャのように転がった。宮古島内では、ほぼ全戸が停電し、復旧には長い時間を要した。

​この台風14号は、宮古島だけでなく、沖縄本島にも大きな被害をもたらした。

​この経験は、沖縄の人々に「台風は、家を破壊し、生活を完全に麻痺させる可能性がある」という恐怖を植え付けた。

​そして、この教訓が、現在の「台風前の徹底した買い出し」や、より強固な住宅構造(沖縄の家はコンクリート造が多い)へとつながっているのだ。

​台風と共存するということ

​沖縄にとって、台風は避けられない宿命である。

​しかし、ウチナーンチュは、台風をただ恐れるだけでなく、その脅威を理解し、経験に基づいた知恵と、持ち前の楽観さで、台風と「共存」してきた。

​スーパーからパンが消えるのは、彼らが台風の怖さを知っているからであり、停電の中で溶けかけのアイスを食べるのは、彼らが不便さを楽しむ逞しさを持っているからだ。

​もし、あなたが台風の季節に沖縄を訪れ、スーパーでパンが売り切れているのを見かけたら、それは沖縄の人々の、生きるための「真剣な戦い」の跡であることを思い出してほしい。

我が家は台風でものが飛んできたとき、ガラスが飛散しないように、窓ガラスにフィルムを貼っている。また、室内の食器棚などのガラスにも貼り付けている。それはなぜか?地震でガラスが飛散して、歩けなくなることを想定しているのだ。

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カセットガスコンロも台風対策という名目で準備した。というのは家族への言い訳で、本当は海辺で簡易BBQで活用しているという事実がある。

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備えあれば憂いなし!

実はこれが目的…w

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